地理が大変苦手です。天気図に表示されないような地理だとなおさらです。
世界には、色の名前が付けられて呼ばれる海がいくつかあります。例えば黒海。皆さんは、この黒海という名前を聞いて、その場所をパッと思い浮かべられますか? あるいは逆に、世界地図で黒海を指差し、これは何という海かと訊かれた時に答えられますか?
私は自信があります。全て不正解をするという自信が。
そんな自分が残念になったので、色の名を持つ海の位置を確認してみました。
日本の表記で色の名を持つ海は全部で 4 つあります。
紅海 (こうかい) は、アラビア半島とアフリカに挟まれた海。英名 Red Sea。
見事にナメクジの形をしていますね。その左触角の先にスエズ運河があり、地中海と繋がります。
この海は、別に紅くはありません。なんでも、紅海はかつてエリュトゥラー海と呼ばれていて、この「エリュトゥラー」がギリシャ語で「赤」を意味するのだとか。なぜ、エリュトゥラー海なのかは諸説あるそうです。
黒海 (こっかい) は、ヨーロッパとロシアとアジアの間にある内陸海。英名 Black Sea。
俯瞰すると湖のように見えますが、マルマラ海を挟み、エーゲ海と繋がっています。右はカスピ海。
黒海はトルコ語で Karadeniz。意味は「偉大なる海」、または「黒い海」。硫化物が含まれるため海が黒く見えることは、その名称とは関係がないみたいです。
黄海 (こうかい) は、中国大陸と朝鮮半島との間にある海。英名 Yellow Sea。
黄土を含んだ黄河の水が流れ込むため、海の一部が黄濁しています。名称はそこから。
エチゼンクラゲの繁殖地であり、海流に乗って日本海にやってきます。その勢いで食卓にやってくることも。
白海 (はっかい) は、ロシア北西部にあるバレンツ海の大湾。英名 White Sea。
この海は、別に白くはありません。北緯 65 度付近という高緯度にあるため、冬は氷結して白く見えるところから名付けられたという説。難破して白海に逃げ込んだリチャード・チャンセラーという航海士が、海の照り返しの白さから命名したという説などがあります。
以上、紅・黒・黄・白の海についてでした。
紅海はナメクジ、黒海は内陸海で黒い、黄海は黄河で黄色、白海は寒い白……と、覚えました。もう忘れそうにない気がします。
あと、青海 (せいかい) 、または青海湖という広大な塩湖が中国にあります。ココノールというモンゴル名での呼び方のが有名でしょうか。