子どもの頃、別にピーマン嫌いではありませんでしたが、肉詰めピーマンは好きではありませんでした。ハンバーグのタネを詰めるのならそのままハンバーグでいいのに。どうしてピーマンを使うのだろう? そんな不可解さがいつも感じられた料理でした。
ピーマンの中の空洞部分に挽肉を詰めて焼き上げる、または蒸し焼きにするこの料理を食べたことがないという人はあまりいないでしょう。ピーマンの肉詰めとか肉詰めピーマンと呼ばれていますが、他にスタッフド・ピーマンやスタッフド・ペッパーという名称もあります。また、肉詰め料理一般はファルシ (ファルス) と呼ばれます。
簡単に作れる料理ですし、できあいのものを買ってくるのではなく、自作するというのが普通でしょう。つまりこれは家庭料理です。それもかなり自由度の高い料理です。各家庭で作り方や味付けが様々あるのではないかと思います。
さて先日、この料理を久しぶりに作ってみたのですが、どうにも味が決まらない。不味くはない。でも別段美味しくもないという微妙な味わい。そこで、レシピサイトなどを参考に作り方をもう一度確認してしました。
タネはどうするか? 加熱方法は? ソースは? 選択肢はそれぞれ複数あります。さらにそれらが組み合わさることで、いわゆる家庭の味という固有のものができあがるのではないでしょうか。
まず、何の挽肉を使うかという問題。牛肉・豚肉・合挽肉がポピュラーでしょう。鶏肉を使うケースもありますが、鶏肉の肉詰めピーマンとあえて書くように、イレギュラーな料理だと思います。
普段作っているハンバーグのタネのレシピをそのまま使えばいいわけですが、ピーマンが器になるため、そこまでしっかりと繋がなくても割れたりしません。塩だけでも十分な繋ぎになります。
調理方法も色々です。フライパンで焼く・蒸す・煮る、電子レンジで加熱、オーブンで焼くなどなど。
おすすめなのはオーブンレンジです。時間は掛かりますが、ハンバーグ同様にふっくらと仕上がり、かつ肉汁が逃げないという長所があります。またピーマンが柔らかくなりすぎることがなく、しっかりとした歯ごたえが残ります。
フライパンの場合は短時間で調理できるのが利点。肉汁は流れますが、ソースの材料にすることで再利用できます。
200℃くらいまでのオーブンだと焦げ目が付けられないかもしれません。その場合、まずフライパンで焼き色を付け、それからオーブンで焼くと良いでしょう。
最後にソース (たれ) の作り方。醤油・ウスターソース・オイスターソース・ケチャップ。そのまま使う人もいれば、混成ソースを作る人もいるでしょう。肉汁に酒・みりん・砂糖・だしを加えたり、あんかけもいい。あるいはソースを使わないという人も少なくないと思います。
フライパンを使う場合は、流れ出た肉汁が材料になります。とりわけタネに牛肉を使用しているとかなり旨味のある肉汁が出ますから、これを使わないわけにはいきません。
煮詰めたソースに最後に水溶き片栗粉を加えると餡になります。これが肉詰めピーマンによく合います。というよりピーマンと相性がよいのでしょうね。
以上、ピーマンの肉詰めについてでした。皆さんはどのような作り方をしていますか?
私の場合、合挽肉・オーブン・醤油という組み合わせで作っていますが、まだまだ研究が必要のようです。とくにソース。あれこれやってみようと思います。
ところでこの料理、ハンバーグのタネを使っているのにハンバーグソースが使われないのはなぜでしょう? あるいは逆に、ハンバーグに醤油だけかけて食べることがないのはなぜでしょう?