イングランドサッカーのトップディヴィジョン「バークレイズ・プレミアリーグ」 2015-16 シーズンが開幕しました。
今期よりレスター・シティ FC 所属となった岡崎慎司選手は先発フル出場。ゴールこそありませんでしたが、開幕週の今季新戦力 10 傑に選出されるなど、上々のデビュー戦になりました。試合は 4 - 2 でレスターが勝ち点 3 を獲得しています。
さて、そんなレスターですが、試合後にケチをつけるような報道がありました。
岡崎選手と前線でコンビ組み、先制点を挙げた FW ジェイミー・ヴァーディ選手の人種差別発言です。
7月下旬にレスター市内のカジノで東アジア人と思われる他の男性客に向かって第2次世界大戦中に日本人に対して使われた差別用語である「ジャップ(JAP)」を連呼して、ののしった映像がサン紙によって明かされた。
目撃者によると同選手は、東アジア人と思われる中年の男性に指をさしながら「ジャップ、ヨー! ジャップ、出て行け、出て行け、ジャップ」と数分間に渡り連呼した。その後、この男性はその場を立ち去った。(以下略)
上記のように、差別語がどうこうという問題ではないようです。
イングランドの反人種差別団体「キック・イット・アウト」はクラブに抗議を行いました。ディレクターのロアジン・ウッド氏は次のように語っています。
シーズンの開幕週で本当に残念なこと。祝福すべき時期なのに、この問題が影を落としてしまう。フットボール選手はどんなレベルでプレーしていようが、ピッチ内外で社会の模範とならなければいけない。彼らの行動はこの国の数百万のファンに影響を与える。もしも、疑惑が立証されたなら、深刻な事実と認識せざるを得ない。クラブは即時の調査と速やかな対処を予想する。我々はすでにクラブとコンタクトを取り、彼らの反応を待っている
その後ヴァーディ選手は、次のように反省の弁を述べています。
僕は心の底から自分が引き起こしたすべての侮辱を謝罪したい。後悔すべき失敗で、自分が全責任を背負っている
また、岡崎選手とヴァーディ選手は直接会談を持ったそうです。岡崎選手は謝罪を受け入れたとも報じられています。
この件に関して、ヴァーディ選手に対するペナルティは明らかにされていませんが、厳罰が科せられる可能性が少なくありません。
というのも、レスターには前科があるからです。つい 2 ヶ月前にも、タイで行われた人種差別が問題となって、前監督の息子を含む 3 選手が解雇処分を受けています。
レスターのオーナーはタイ人であるということも、ペナルティに影響するかもしれません。
以上、岡崎選手の同僚による人種差別騒動でした。
せっかくの快勝が台無しになってしまいましたね。開幕戦のコンビネーションがかなりうまくいっていましたし、チームにとっても大きな痛手となりそうです。
なお、クラブ広報は、イングランドサッカー協会や地元警察が捜査を進める方針であることを明らかにしました。