軋む廊下。障子に映る影。風にまじる雑音。昔ながらの日本家屋では、それが日常的な光景である一方で、非日常的な印象を与える要素でもあります。
不気味さと静謐さが綯い交ぜになったその感覚が和製ホラー映画に反映されているのは、私たち日本人が現実にもっている非現実的イメージだからでしょうか。
チェーンソーを振り回す殺人鬼が跋扈する欧米製ホラー映画とは違う方向へ発展した邦画ホラー。湿度が高くじめじめしたこの酷い季節に観るのもまた一興でしょう。
ということで、TSUTAYA のランキングから、邦画ホラーの累計レンタルベスト 5 をご紹介。
集計期間は、2002 年 10 月 1 日から現在までです。
1968 年公開の同名作品を三池崇史監督でリメイク。主演は神木隆之介。鳥取の田舎に住む臆病な少年タダシが、妖怪たちを率いて悪霊軍団と戦うという冒険活劇。ホラーというよりジュブナイル作品です。作家・宮部みゆきが宮部先生役で少し出ています。
監督は『リング』の中田秀夫。前田敦子主演でおくるサスペンスホラー。老朽化が著しいクロユリ団地で続く謎の死。引っ越してきたばかりの明日香はそのことを知らず、隣室で老人が孤独死しているのを発見したことを切っ掛けに巻き込まれていく。
携帯電話を通じて呪いが感染していくホラーシリーズ第 3 作にして完結編です。2006 年公開作品だからガラケーが主役です。パカッと開けて呪われます。今の時代のスマホだとあまり怖くなくなりそうです。
低予算でヒットしたモキュメンタリ―ホラー映画『パラノーマル・アクティビティ』の日本版続編です。深夜のラップ音、突然割れるコップなど、騒がしいことをする「何か」。設置された定点カメラは、観ているこちらも拘束されるようで怖いですね。
タイトルの通り、生まれ変わりをテーマとしたホラー映画です。優香演じる新人女優の渚は、劇中劇である映画『記憶』の撮影中、過去の記憶を体験していく。自分は誰の生まれ変わりなのかをフックとしたミステリー作品。監督は『呪怨』の清水崇。
以上、邦画ホラー映画の累計レンタルベスト 5 でした。作品の順位としては意外でしたが、三池崇史・中田秀夫・清水崇といった監督の顔触れには意外性はありませんね。
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