両腕を交差させて手を合わせ、身体の側へぐるっと通過させて両手を目の前まで持ちあげ、隙間から覗き込み、グー・チョキ・パーのどれにするかを決定する。
代々受け継がれているじゃんけん必勝法です。子どもの頃にやったことがある人もいるのではないでしょうか?
なんでも、隙間から次に出す手が見えるのだとか。見えないサイドのお子さんだと、皺の形や数で何を出すか決めているようです。
さて、そんなシンプルなゲームであるじゃんけんですが、東京大学の研究グループによって勝率 100% のじゃんけんロボットが誕生しました。
開発したのは、東京大学情報理工学系研究科の石川渡辺研究室。高速ビジョンを使い、人間の手の位置と形状を認識することで実現しているのだそうです。
このロボットの最初のバージョンは、人間が出した手を認識して反応するというものでした。人間にはほとんど感覚することができないとはいえ、要するに後出しです。これは勝利とは呼べないでしょう。
しかしその後のバージョンでは、人間の出す手が完成する前に認識が行われるように変更されました。動画のロボットはさらにそれを進化させたもので、追跡能力のアップと視野の拡張が行われています。
動画のコメント欄には、アンフェアだという書き込みが見られますが、じゃんけんのルール的には問題ないでしょう。野球において、投手のフォームの癖から球種を予測することは、アンフェアとは言えないのと同じなのではないかと。
以上、勝率 100% のじゃんけんロボットについてでした。
絶対に負けないじゃんけんロボットのこの技術は、機械が人間の動きに合わせ、ミリ秒単位での協調制御ができる可能性を示しています。人間をサポートする場面、人間との共同作業をする場面など、様々な舞台での応用が期待できそうです。